このブログは同名の書籍「研修医はじめの一歩」(リブロ・サイエンス発行)から、日記部分だけを抜粋してお届けしています。

この物語はフィクションです。


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医師を志す主人公・山際悟史のもとに届いた、亡き父(山際  薫)の研修医日記。

その日記を読みながら悟史の頭に浮かぶ、臨床研修上の数々の疑問。

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 朝、廊下で循環器内科をローテートしている大村先生に会った。最初の研修以来で久しぶりだった。少し疲れている顔をしていたので「大変なの?」と聞いてみると、受け持ちの患者さんがICUに入っていて、レジ(レジデントハウス)には帰っていないとのことだった。ほとんど寝ていないらしかった。

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 他人事ではないけれど、大変そうで、心配してしまった。俺は忙しいけど寝る時間がないほどではないな。みんな頑張っているな。俺も頑張らねば。(054)

 今日は怒涛のヘモオペ(内痔核の手術)4連発。指示出しなどはクリティカルパスなので、ボタンひとつで終わって楽。

096クリティカルパス


 4人連続で、点滴のラインを確保しなければならない。(055)
 かなりしんどかった。
 でもヘモの人は若い男の人が多いので血管も立派で入れやすかった。なんと4連続成功!! センスあるかもと数日前の自分は棚に上げ…… 。

 オペはスーパー外科医古木先生。執刀によりパンパンパンパンと終わってしまった。カッコイイ……。早く俺もあんな外科医になりたいな。


 午後、木月先生のBチームが透視室でイレウス(腸閉塞)の人にイレウス管を入れるという情報をゲットしたので見に行ってみた。(056)
 行ったら「暇なら手伝え」と涌井先生に言われて、結局みっちりお手伝いもした。はじめてだったので新鮮でとても勉強になった。

 激しく蛇行する拡張した小腸の中をイレウス管がサーフィンするように進んで行った。拡張した小腸の内容液を吸っているときは「いいことしてるな〜」と嬉しかった。

 予定していたところまで無事に行けたみたいで、みんな満足そうな顔をしていたな。これで患者さんが良くなれば嬉しい。医者は本当にやりがいのある職業だ。

 病棟に帰ろうとしたら涌井先生に、「お前、バッジしてなくて、ダメじゃないか!」と怒られた。

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「お前、バッジどうした?」






 「バッジ???」という顔をしていたら、説明してくれた。
 
 医師は全員、その月に被曝した放射線量を測定するために、被曝量測定バッジ(フィルムバッジ)を付けなければならないとのこと。透視など放射線を浴びるときには必ず装着しなければならないと。「外来にあるから取ってこい」と言われ慌てて取ってきた。

099バッジ
 本当にわからないことばかりの毎日だ。(057)




疑問
悟史の疑問054
研修医に眠る時間はあるのか?
 研修医は忙しいから、寝る時間もないのかな?
 僕は体力的には自信あるけど?
 奈津とか女の子は大丈夫なのかな?


悟史の疑問055
「クリティカルパス」って何もの?
 クリティカルパスって何だ?
 「ボタンひとつで終わる」とはどういう意味だ?


悟史の疑問056
時間のあるときは他チームの手技、検査時は見学を!
 他のチームの関係ない患者さんの検査とかも参加していいのかな?
 なるべくいろんな経験をしたいしね。さすがは親父だ。


悟史の疑問057
被曝量の測定バッジ(フィルムバッジ)とは?
 フィルムバッジって何?
 病院で被曝することなんてあるの?
 被曝するのはどんなときなんだろう?



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