このブログは同名の書籍「研修医はじめの一歩」(リブロ・サイエンス発行)から、日記部分だけを抜粋してお届けしています。

この物語はフィクションです。


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医師を志す主人公・山際悟史のもとに届いた、亡き父(山際  薫)の研修医日記。

その日記を読みながら悟史の頭に浮かぶ、臨床研修上の数々の疑問。

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 ICUで迎える朝は辛かったが、近藤さんの状態はすこぶる良かった。今日にも一般病棟に戻れそうだった。
 病棟に行くと、木月先生が「お疲れ!」といって缶コーヒーをくれた。わざわざ買ってきてくれたらしかった。良い奴だ。
 今日から学会で医者の人数が少なかった。手術も今週はもう入っていない。池内先生は近藤さんのことがあるので、今日は行かずに明日にしたとのことだった。ありがたい。

 社長の近藤さんは、一般病棟に移動するなら、特別室が良いと言い出した。
 池内先生に聞いてみると、「特別室は最上階にあって目が届きにくいから外科病棟の個室をお勧めして」と言われたので、そう伝えた。

 その後、近藤社長はだだをこねて、ひと悶着あったみたいだけど、最後は奥さんの鶴の一声で外科病棟に決まった。さすがは妻だ。

 「せっかくの機会だから、特別室を見てこようよ」と木月先生が言うのでチェックしに行ってみた。部屋の中には入れなかったけど、部屋の前の廊下も絨毯張りだったし、廊下の隅には派手な花瓶にランが飾ってあったり、高級感があった。(104)

 外科病棟にエレベーターで降りるとき、「先生、知ってた?」と、木月先生が便利なボタンを教えてくれた。そのボタンは、気がつかない壁の隅に「緊急」と書かれて存在した。
 そのボタンを押すと、どこにエレベーターがいても他の階に止まらずにエレベーターが来るそうだ。緊急で患者さんを搬送するときに使うらしい。便利なものを教えてもらった。なるべく使いたくないボタンだけど。(105)

 学会で手術もないし、余裕がある一日だった。そして、なんと言っても、今日は初給料日!!

 迷惑かけてばかりなのに給料をもらうのは申し訳ない気がするけど、嬉しい! 大切にしようと思う。(106)

 夕方の回診が終わると、涌井先生から「夕飯食べに行こう」と誘われた。ここ数日帰ってないので、今日はすぐに帰りたかったけど、病棟の看護師さんも来るからと強引に連れて行かれた。
 結果、普段なかなか話のできない看護師さんとも話ができて仲良くなれたので良かった。明日からの活力にはなったかな。でも眠い。(107)






疑問
悟史の疑問104
病院にある特別室とは?
 病院には特別室というものがあるのか。どんな感じなんだろう?


悟史の疑問105
エレベーターで緊急患者さんを運びたいのに来ないときの秘密のボタン。
 病院のエレベーターにはそんなボタンがあるのか。どんなときに使うのかな?


悟史の疑問106
初任給はいくら位なのか? もらっても使う時間があるのか?
 給料日は嬉しいだろうな。どれくらいもらえるのかな?
 もらっても使う時間とかあるのかな?


悟史の疑問107
病棟で夕食や飲み会に誘われたらどうするか?
 病棟で飲み会とかあるのか。必ず行かなくてはいけないのかな?
 疲れているときとか嫌だな。





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