このブログは同名の書籍「研修医はじめの一歩」(リブロ・サイエンス発行)から、日記部分だけを抜粋してお届けしています。

この物語はフィクションです。


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医師を志す主人公・山際悟史のもとに届いた、亡き父(山際  薫)の研修医日記。

その日記を読みながら悟史の頭に浮かぶ、臨床研修上の数々の疑問。

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 もう一日休めばいいのに、木月先生は咳をしながら病棟にやってきた。マスクをしながら、必死に病棟業務をしていたが、見かねた涌井先生により、強制帰宅させられていた。
 みんな、うつってはいけないとマスクをし始めけど、あまり意味がないことを涌井先生に言われて、じゃまなので取ってしまっていた。(136)
 
 前から気になっていたのだが、病棟には至るところに消毒用のアルコールが置いてあった。勤務室や、処置室、廊下などたくさん。最初はなんだろうと思っていたが、感染予防であることがわかった。

233アルコール

 
 処置をするごとに手にアルコールを散布した。こまめにやるのがポイントらしい。涌井先生は、小さな携帯用マイアルコールを持っていた。なんでも感染対策チームの専門ドクターということだった。院内ラウンドなどやって院内感染対策をしているとのこと。(137)
 いろいろ上になると、医療以外でも大変なんだなと思った。

 昼にちょっとした事件があった。まあ、事件というほどでもないけど。

 いつものように守屋さんが、若いやつを呼んでいるということなのでベッドサイドに行った。そこで、不機嫌そうな守屋さんが低い声で言ったのだ。

 「若い先生よ。俺は癌なんだろ。もうそんなに生きられないんだろ。だったら退院させてくれ。こんなところにもういるのは嫌だ。退院させてくれ」

 何も言えなかった。確かに守屋さんは食道癌に間違いなかった。しかも肺にも多発転移があり、守屋さんの言うとおり、そんなに生きられないのかもしれなかった。でも、何も言えなかった。ただ、「上の医師と相談します」と力なく言うだけだった。(138)

 間違いなく俺は守屋さんの主治医であったが、俺からすべてを話すことはいけないと思ったし、どう話していいかもわからなかった。
 池内先生に電話をかけ話をすると、あとで説明しておくとのことだった。池内先生はどのように説明するんだろう。

 そのあと、研修医室でしばらく一人で考えた。もし俺が上級医だったらどのように説明するだろうか。また、どのように説明すべきなのか。
 結論は今の俺では出せなかった。






疑問
悟史の疑問136
診療中のマスク着用について。
 マスクをしながらの診療で注意すべきこととかあるのかな?


悟史の疑問137
廊下にあるアルコールは何のためにあるのか? 感染対策チームとは何か?
 病棟にある消毒用アルコールはそのためだったのか。
 感染対策チームとはどんな仕事をしているんだろう?


悟史の疑問138
研修医が検査結果を直接患者さんに説明していいのか?
 研修医が検査の結果を患者さんに直接説明をしていいのかな?
 結果だけなら伝えることはできるしな。




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