このブログは同名の書籍「研修医はじめの一歩」(リブロ・サイエンス発行)から、日記部分だけを抜粋してお届けしています。

この物語はフィクションです。


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医師を志す主人公・山際悟史のもとに届いた、亡き父(山際  薫)の研修医日記。

その日記を読みながら悟史の頭に浮かぶ、臨床研修上の数々の疑問。

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 今週もミーが来てくれた。ミーが来てくれると思うと、頑張れるし、本当に嬉しい。今日のために、昨日、日直のあと遅くまで病棟業務をやって、できるだけ終わらせた。ミーと何をするわけでなく、買い物などしている時間が本当に幸せに感じる。

 本屋で『日常会話 医療用語集』を見つけると、ミーも欲しいと言って2冊買った。お揃いのTシャツならぬ『日常会話 医療用語集』。「研修医同士のカップルらしくていいね」と言って二人で笑った。

 ミーといろいろな話をした。俺はこの前の当直で点滴のラインを作ったり、抗菌薬を溶かしたりひと苦労だったよと言った。

 そしたら、ミーも抗菌薬を溶解する生理食塩液なしでオーダーしてしまって失敗したり(143)、連休前のオーダーで連休中一日3回を4日分出すのを間違えて、9回4日でオーダーしてしまって、36個も抗菌薬が病棟に上がってきてしまい、うろたえたり、失敗の連続よと笑っていた。
 みんな、そうなんだなと少し安心した。ミーの失敗で安心してしまい、ミーには悪かったけどね。

04_4失敗ミー


 あと、話をしたのは、医師賠償責任保険のこと。医者は自分自身の身を守るために、今は自分自身に保険をかけているそうだ。

 「外科になるなら特に必要じゃないの?」とミーが言った。(144)

 俺はそんなものの存在すら知らなかったので、ミーに教えてもらってよかった。調べてみることにした。
 「夏休みもそうだけど、病院って年末年始はどうなっているのかな?研修医は休みなのかな?」

 大学ではローテーションの希望がある程度出せるそうで、「年末年始が休みなら、楽そうなところを年末年始に希望しようかな」と、ミーは笑っていた。
 確かにそうだ。どうなっているんだろう? 正直、今はそこまで考える余裕がないけど。(145)

 そのほか、面白いのは、研修医は日々その研修態度を評価されているらしいということだった。(146) 
 
「そんなの評価されても困るよね? 私なんて失敗の連続だし、ドジばっかりだよ」

 ミーだけじゃない。俺だってドジばっかりだ。そんなこと、どうしてやっているんだろう?






疑問
悟史の疑問143
薬剤を生理食塩液で溶解するとは、どういうことか?
 抗菌薬は溶解剤が必要なのか。そんなのわからないな。


悟史の疑問144
医師賠償責任保険は入るべきか?
 医師賠償責任保険とは? 何?


悟史の疑問145
研修医の年末年始は?
 病院自体も年末年始はどうなっているんだろう?


悟史の疑問146
研修医は日々、研修態度を評価されている。
 研修医は評価されているの?
 そんなことしてどうするんだろう? なんか、怖いな。





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