このブログは同名の書籍「研修医はじめの一歩」(リブロ・サイエンス発行)から、日記部分だけを抜粋してお届けしています。

この物語はフィクションです。


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医師を志す主人公・山際悟史のもとに届いた、亡き父(山際  薫)の研修医日記。

その日記を読みながら悟史の頭に浮かぶ、臨床研修上の数々の疑問。

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 今日も忙しい日だった。直腸癌の黒崎さんのオペだったのだが、術前の点滴がどうしても入らなくて苦労した。点滴くらい、もう5月なのに入らなくてどうするんだと思う変な気持ちが芽生え、たくさん刺してしまった。
 結局入らずに池内先生に代わってもらった。手を代えるタイミングを誤ってしまった気がした。池内先生にも「ちょっと失敗しすぎ。もう少し早く呼んで」と注意された。(151)

 手術中も視野出しがいまいちだったみたいで怒られるし、検査科にもオーダーが出てないのに検体が出ていると言われたり、患者さんに頼まれていた診断書をなくしてしまったり、怒られまくった一日だった。でも、怒られるうちが花かなと思い頑張ることにした。(152)

 少し落ち込んで病棟にいたら涌井先生が話しかけてくれた。俺のことを気にしてか涌井先生の研修医のときのいろいろな話をしてくれた。

 涌井先生も毎日怒られまくっていたらしい。今では、俺から見たら雲の上の人で、立派な外科医だけど、涌井先生にも俺みたいな時代があったらしい(信じられないけど)。
 今の俺でも頑張れば、涌井先生のようになれる可能性があると知り、自信が出てきた。涌井先生は最後に心得みたいなことをおっしゃった。
 「俺は、常に2年上の人と勝負をしていた」と。今の俺にはあまりわからなかったが、1年上は当然として、2年上と常に自分自身を比べて頑張れということだった。言葉は熱すぎて、少し圧倒された。とにかく俺もへこまずに頑張ろうと思った。(153)

 そうそう、嬉しかったこともあった。18日に手術をした杉浦さんから退院するときに靴下をいただいた。なんでも、「先生はいつも靴下履いてないから」と。
 俺はおしゃれのつもりだったけど、杉浦さんには靴下を買えない研修医に映ったみたいだった(笑)。(154)

 心が温まった。ありがたかった。手術を終えて元気に退院する患者さんを見送るときはとても晴れ晴れとする。明日もしっかり頑張るぞ、へっぽこ研修医だけど。






疑問
悟史の疑問151
手技に失敗したときの手を代えるタイミングは?
 失敗したときに、代わってもらうタイミングは難しそうだな。
 簡単に代わっても技術が身につかないし。
 どんなタイミングで代わってもらうのだろう?


悟史の疑問152
怒られた数が伸びる力。怒られなくなったら終わりです。
 怒られまくるのはへこむだろうな。
 でも、親父の言うように怒られているうちが花なのかな?


悟史の疑問153
2年上の人と勝負を。
 熱い言葉だな。なかなか難しいことだと思うけど、本当はどういう意味なんだろう?


悟史の疑問154
患者さんにお菓子をもらったらどうするか?
 患者さんからいろんなものをもらうことがあるのか。もらっていいのかな?




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